AI規制と安全性の亀裂、Arm新製品、気候テック——10月前半に見逃せない動き

10月前半のテクノロジー界では、OpenAIの内部統制をめぐる騒動が相次ぎ、AI安全性への懸念が一段と可視化された。一方で米政府によるAI呼称の公式変更が加速するなど、政治とAIの絡み合いも無視できない局面を迎えている。

トランプ政権、「AI」を「Super Intelligence(SI)」に呼称変更——政府サイトや大統領令にも波及

トランプ大統領が「Artificial Intelligence」という言葉を使う者を敵視すると宣言。政府サイト「AI.gov」は「SI GOV」に刷新され、新組織「SIF」も創設された。テック企業は公式文書での表現を迫られており、SpaceXのAI部門も「SpaceX Super Intelligence」へ改称している。(ITmedia)

OpenAIで盗聴装置発見・安全性研究者解雇——内部統制の綻びが連続露出

OpenAIの役員会議室でエンジニアが仕掛けた盗聴器が発見されFBIが逮捕した事案と、安全性研究者3人の突然の解雇が立て続けに表面化。同社は規定違反を理由とするが、研究者側は「安全性を優先したため」と主張しており、ガバナンスへの信頼が揺らいでいる。(盗聴)/(解雇)

MicrosoftがAIチップ「Maia 300」発表——NVIDIA依存脱却と電力効率40%改善を狙う

Microsoftが自社開発AIアクセラレータの第3世代「Maia 300」を公表。GPUベース比で電力当たりの生成トークン数を40%増やす見込みで、Copilot等の自社サービスへの搭載を計画。本番配備は2027年開始で、マルチギガワット規模への拡大を目指す。(ITmedia AI+)

Character.aiが連邦破産法11条を申請——Disneyが知財ライセンスで先行入札

AIキャラクター対話サービスのCharacter Technologiesが経営破綻を申請。サービスは継続するものの、買い手が見つからなければ段階的閉鎖となる。ディズニー系が知財ライセンスの入札者として先行しており、大手プラットフォームによる吸収の行方が注目される。(ITmedia)

廃業スタートアップのSlack・メールがAI訓練データに——「AI訓練の無法地帯」と弁護士が警鐘

倒産・廃業企業のコードやメール、Slackの履歴がAI訓練データとして売買されている実態をMITテクノロジーレビューが報告。グーグルが破産中のスピリット航空データを1000万ドルで購入した例もあり、個人情報の混入リスクと法的グレーゾーンが問題視されている。(MITテクノロジーレビュー)

MITTRが「気候テック10」2026年版を発表——蓄電・風力・小型原子炉に注目企業が集中

MITテクノロジーレビューが選出した注目気候テック企業10社のうち、鉄電池のForm Energy、CO₂蓄電のEnergy Dome、半固体電池のWelionなど蓄電関連が複数選ばれた。AIデータセンターによる電力需要急増が選定基準に影響したと編集部が明かしている。(MITテクノロジーレビュー)

術前MRIで大腸がん難治性サブタイプをAUC 0.84で予測——千葉大がディープラーニングを超える精度を達成

千葉大学の研究グループが、日常的な術前MRI画像から最も予後不良な分子サブタイプ「CMS4」を高精度で予測するラジオミクスモデルを開発。AUC 0.84と既存ディープラーニング手法を上回り、個別化医療の実現に向けた臨床応用が期待される。(MedIT)

なお、Googleの最上位モデル「Gemini 4 Argon」の一般公開と日本での利用可否については、別途解説記事を参照してください。

今週前半のキーワードを一言で絞るなら「信頼の揺らぎ」。安全研究者の解雇から廃業データの売買まで、AI開発の倫理・ガバナンスに関わる問題が実名・実額で報じられた。数字や制度の整備より先に、具体的なインシデントが積み重なっている点を今後の判断材料として頭に置いておきたい。

本記事は公開情報をもとに、NEWGATA編集部で確認のうえ掲載しています。

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