AIベンチマーク急落・米中SI合意・医療AI進展——9月後半に押さえるべき動き6選

AIの「実力測定」が厳しくなる一方、国際政治レベルでのAI協調が動き出した9月後半。医療・素材・倫理の各領域でも見逃せないニュースが続いた。

Googleの「Android Bench 2.0」、AIの通過率が91%→28%に急落

Googleが公開した新ベンチマーク「Android Bench 2.0」は、エンジニアが数日かけるレベルの長期タスクを課す仕様に刷新。従来約91%だった最高通過率が約28%まで落ち込み、現状のAIエージェントが「週単位の開発業務」にはまだ遠いことを数字で示した。

米中首脳がAIを「超知能(SI)」と呼ぶことで合意、定期対話も創設

習近平主席の国賓訪問にあわせ、米中両政府はAIを「超知能(SI)」と定義することで合意し、リスク対応の定期対話チャンネルを設けた。マスク氏やザッカーバーグ氏ら米IT首脳が公式晩餐会に集結した点も、産業界への影響を示す象徴的な場面だった。

術前MRIだけで大腸がんの難治サブタイプを予測、AUC 0.84を達成

千葉大学の研究グループが、日常的な術前MRI画像から予後最不良の分子サブタイプ「CMS4」をAUC 0.84の精度で予測するAIモデルを開発。既存のディープラーニング手法を上回り、個別化医療への応用が期待される。血液がん診断AIの臨床精度をめぐる論点はこちらの詳細解説記事も参照。

「現代AIの父」シュミットフーバー氏がSakana AIに参画

LSTMやTransformerの原型となた技術を生んだユルゲン・シュミットフーバー氏が、Sakana AIの再帰的自己改善(RSI)研究組織のアドバイザーに就任。AIが自分自身を書き換えて能力を高める「RSI」研究に著名研究者が加わることで、同分野への注目度が高まりそうだ。

スマートグラスの「見えないカメラ」がインドで人権問題に

MITテクノロジーレビューが報告したインドのスマートグラス被害では、一見カメラと分からないデバイスで抗議参加者が無断撮影され、動画が数百万回再生された。警察も同様のデバイスを使っており、技術の普及速度と法整備の遅れが鮮明になっている。

AIは気候変動を救うか悪化させるか、NY気候ウィークで答えは出ず

国連総会とNY気候ウィークが重なった場で、AIの環境負荷と気候解決への貢献が主要議題に。グテーレス事務総長は「どちらにもなり得る」と述べるにとどまり、投資家・政策立案者の間でも懐疑論が強かった。エネルギー消費の実態開示を企業に求める声が高まっている。

Pentagon、AI搭載「次世代うそ発見器」に3030万ドルを要求

米国防総省がAIアルゴリズムと非接触生体計測を組み合わせた新型ポリグラフの開発予算を要求。ただし従来のポリグラフ自体、有効性の科学的根拠が「ひいき目に見ても弱い」とされており、技術の刷新が信頼性の問題を解決するかは未知数だ。

今週前半のポイントを一言で言えば「測定と合意」。AIの実力を正直に測ろうとするベンチマークの厳格化と、国家レベルでのルール形成が同時に進んでいる。この二つの動きがどう連動するかが、今後の業界標準を左右する。

本記事は公開情報をもとに、NEWGATA編集部で確認のうえ掲載しています。

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